息を吸って吐くっ‼それが生きる道
- Noema Noesis
- 2020年6月25日
- 読了時間: 3分
更新日:2020年7月4日
皆さんは、「おしりがふたつに割れている理由」を考えたことがあるだろうか。もし考えたことがなかったら、今少し立ち止まって、3秒間だけ考えてみてほしい。
「おしりがふたつに割れてるのはウンコに便利だからだよ
割れてなきゃいきなり穴だからキケンだし
みっつは無意味だからじゃないの」
この答えを聴いて、なるほどと思った方も、なんだこのふざけた答えはと思った方もいるだろうが、この答えはわたし個人の意見ではないのでクレームは入れないでほしい。
そしてこのブログでこのまま下品な話を書いていくつもりもないので安心してほしい。
「おしりがふたつに割れている理由」に、ある意味哲学的(?)に答えたのはこの生き物である。

皆さんはこの生き物の名前を知っているだろうか。くまのような耳、緑色のたてがみ、つぶらな瞳に能天気なほっぺたのマーク。名前はコジコジである。
コジコジはちびまる子ちゃんの作者で知られるさくらももこ氏による全4巻の漫画作品で、1994年に発表された本作品はちょうどわたしと同い年である。
わたしが小学生の時、実家にはこの「コジコジ」が全巻あった。なぜあったのかは分からないがもしかしたら3歳上の姉が買ったものかもしれない。
小学生のころ、コジコジの素朴で愛らしい見た目と、漫画のシュールすぎる内容にのめり込んだわたしは全話・全ページを暗記するほど愛読していた。だが大人になるにつれて読み返す頻度は少なくなり、キャラクターとしてコジコジをかわいいと思う程度の毎日を過ごしていた。
コジコジの作者であるさくらももこ氏が2018年に乳がんで亡くなった。そのあまりに早すぎる死に驚いた人も多いのではないだろうか。
さくらももこ氏の死を受けて、わたしはふとコジコジのことを思い出した。一旦思い出したらどうしてももう一度読みたくなってしまった。それくらい中毒性のある漫画なのである。その足で書店に向かい全巻大人買いした。といっても全4巻なので大して大人ぶる程ではないが、さくらももこ氏への哀悼の意を大人買いという形で表したわたしは、帰ってすぐに全巻を一気読みした。そして小学生時代のわたしがすべて暗記していた、あのコジコジの記憶がよみがえったのである。

なんとなく「こうじゃなきゃいけない」とか「こうあるべき」みたいなことが多すぎる世界で生きているわたしたちは、「自分がなりたいもの」を問われたとき、自分に正直にまっすぐに答えることができるだろうか。
「キミはいったい何になりたいんだ」と問われたコジコジは
「コジコジだよ
コジコジは生まれたときからずーっと
将来もコジコジだよ」
と答える。
なんだそんなことかと思った人もいるかもしれないが、大人になって読み返したわたしは、ガーンと心を打たれてしまった。
みんなが自主的に、誰かが求める何者かになろうとしているこの社会で、心も体も健康に生き抜いていくためには、心の中にコジコジを存在させることが一番手っ取り早いのではないかと、最近社会人になったわたしは思っている。
物語の中で「社会の役に立つ」というワードが時たま出てくる。皆さんは社会の役に立ちたいと心底思うだろうか。もしそこに生きづらさを感じている人がいたなら、ぜひコジコジを読んで、心を健やかに無理なく生きてほしい。
最後に物語の中のこのセリフを皆さんに送りたい。
「は? 役に立つかどうか?
どうでもいいじゃんそんな事
オレ達 ただモーレツに 生きてるだけさ」
追伸
わたしがコジコジを好きな理由は、つぶらな瞳とふわふわのたてがみ、そして愛くるしい表情を崩さないまま辛辣なことをズバズバと言うところ。
これって誰かに似ていませんか。そう当団指揮者の堅田優衣。読めば読むほど優衣さんに似てきます。そう思って読むとより一層おもしろいかもしれません。
文:関根(のえのえ衣装番長)
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