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マハーバーラタ

  • Noema Noesis
  • 2020年7月21日
  • 読了時間: 2分

 緊急事態宣言が出る直前の今年の3月末、合唱の練習もその他外出予定もすべてなくなった私は、「時間がたくさんある今だから読める本を読もう!」と思い立って、仕事帰りに本屋で「マハーバーラタ」(デーヴァダッタ・パトナーヤク, 監訳:沖田瑞穂, 訳:村上彩)の上下巻セット(もちろん日本語訳)を購入しました。大学時代にインド哲学を少しかじって以来、読みたいなーと思っていたのです。


 「マハーバーラタ」という言葉、内容は知らないけど聞いたことはある、という方も多いのではないでしょうか。高校の世界史のテストで、「ヒンドゥー教の聖典になっているインドの二大叙事詩は、『ラーマーヤナ』ともう一つは何でしょう。」「答え:マハーバーラタ」みたいな問題に出てくる、アレです。

 とはいえ世界史の教科書の中ではインド史って影薄めなので、日本人にはなじみが薄いのですが、インドではとても人気があります。映画やアニメにもなっていますし、数年前にブームになった映画「バーフバリ」は、「マハーバーラタ」をベースにしていると言われています。


 物語は、クル王家のパーンダヴァ族とカウラヴァ族の王位争いを描いています。

 「マハーバーラタ」、とにかく登場人物が多い!一夫多妻・一妻多夫アリの世界なので、男女の組み合わせが多い。生まれる子供もめちゃ多い。人間だけでなく神様も出てくる。だんだん誰が誰だか分からなくなってきます。ですが登場人物が多い分だけドラマも多く、そこが「マハーバーラタ」の魅力なのです!

 そんな数多くの登場人物の中で、ひときわ目を引く男がいます。それがクリシュナ。インドでも特に人気のあるキャラクターらしいです。容姿端麗で賢く、情に厚くて女性に優しい、戦いに強いといった、あらゆるインド人のイケメン要素を備えている、もはやチートキャラ。イケメン過ぎて、村の年頃の女性たちの間でファンクラブができたほどです。少女漫画か…?

 「マハーバーラタ」には、「そんなこと現実にあるわけないだろうが」と突っ込まずにはいられないようなびっくりエピソードが頻出します。山を丸ごと持ち上げて傘として使うとか、、、最初の方は心の中で冷静にツッコミを入れていたのですが、読んでいると徐々に世界観に慣れてきます。「次はどんなびっくりエピソードが来るかな~」という気持ちになってくる、中毒性のある物語なのです。


文:土橋(きゃし)

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